前回までのお話し。 『マカオの経済はカジノで廻っている』 と、言っている人はマカオの本当の事を知らない。 真のマカオの姿は〝建設・建築〟で廻っている。 カジノ(IR)はその一つのコンテンツでしか無い。 ここが見えないと、どんな事であれ、この地域の本質は見抜けない。 また大阪はここを見誤っている。 昨年のマカオGPの開催理由は 『今からだとキャンセル出来ない』 だった。 では今年は? 『今年やらないと来年の予算が取れない』 『嘘をつくんならもう少し上手につけ』 マカオ市民は呆れた。 つまりマカオ市民も前年の様子を見て 『まずいメシを食うくらいなら一食くらい抜いて、次に良いのを食べれば良い』 と言う意見が非常に多かった。 しかし建設業界に忖度している為、中止に出来ない。あのコースの設置や保守管理、解体で数十億円が動くプロジェクトになっているからだ。 以前のマカオGPは旅遊局が主体だった。それが2016年から体育局が入ってきた。その前年のマカオGPは両局が入り込み、とんでも無い事になった。グランプリ期間中に争いが発生し、ピット内のwi-fiが突然切られたり、各チームが自社のSNSに投稿した情報を『消せ』と言ってきたりと、参加者はナニがナンだか分からない…
正直、今回はジャン・シージャンの優勝に救われた。彼は2008年のフォーミュラウエストで最大のライバルだったドライバー。全18戦中、第17戦でギリ、ウチがタイトルを奪取すると言う実に際どい戦いだった。その後、彼はあの名門のPREMAへ行き、フォーミュラルノーのイタリアンチャンピオンシップを戦うと言う立派なキャリアを積み上げる(つまり小林可夢偉や中嶋一貴の後輩に当たる)。 色々思うところはあるが、まず今回のマカオGPのイベントとしての立ち位置から考えてみる。 今回のマカオGPの参加ドライバーのライセンスは中国・香港・マカオ・中華台北なる国(地域)に限定されていた。実はこれ、もの凄く曲者で、こうなると最大限譲歩してもリストリクテッド・イベントとなり、国際はもちろん、リージョナル・イベントにもならない。 直前にポルシェカップアジアの取り止めが発表された。公式な理由は〝準備不足〟としている。が、この開催グレードを考えると中止の理由が良く分かる。 ポルシェカップアジアはリージョナル・イベントとして登録されていて、その前提でポルシェAGから予算を割り当てられている。ところがそれがリストリクテッド・イベント、それも台湾として門戸を開けば結果も違った可能性もまだあったが、中華台北は中国の一方…
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