2023年8月30日。広東省珠海市の珠海国際サーキットに対し、珠海市政府の環境局から一通の通達が出された。 珠海サーキット(以下、ZIC)がサーキット内の関係者に通知を送った。 それは珠海市の環境局からの通達で、そこには「日中の騒音規定を最大70dBまでとする」と記されている。 サーキット内の各チームはこの規定を守る事。クルマに消音器や騒音を下げる措置をする事。ZICはそれを監督します。 ZICは即日、これを発布し管理を厳しくします。これを違反した場合、ZICその責任に於いて厳しく追及します。 ちなみに日本での一般乗用車の排気音の規制を見るとこうなっている。 環境省で定められている騒音は85db(デシベル)、振動は75dbとされています。 一 特定建設作業の騒音が、特定建設作業の場所の敷地の境界線において、八十五デジベルを超える大きさのものでないこと。 つまり70dB以下という事は事実上、走れない事を意味する。 実は珠海サーキットの廃止の話しはたびたび出ては消えている。 一番最近では2013年に不動産デベロッパーが、サーキットや隣接するゴルフ場を含む一帯を開発する話しが持ち上がり、サーキットの廃止が公然の事実として浮上した事がある。 今回は騒音規制を持ち出し、事実上走行不…
自分を含む調査チームは、夜8時をまわり定刻を一時間ほど遅れて北京を飛び立った上海へと向かう飛行機の機内にいた。 どこのタイミングで聞こうかと、北京での滞在期間中ずっと様子を伺っていたが、飛行機の座席で隣になった事から思い切って聞いてみた。 「なぜ(第三期の)活動を辞めたんですか?」 彼は間髪を入れずに答えた。 「あのタイミングで辞めないと、株主総会を乗り越えられなかったんですよ。」 彼は第三期の中で重責にあった人物で、今回は後々の第四期、つまり第二期マクラーレン・ホンダが発足する前の段階の作業をしていた。 そして光栄な事にそれをお手伝いさせて頂けるチャンスを頂けた。 話しは一旦、一番最初に戻る。 この一連の流れを書こうと思ったのには理由がある。 一つはTwitterの長文のシステムを試してみたかったと言う事。 実はこの文章は以前に書いて貯めていたものだった。しかし特に出す場もないし、それを作ろうとも思っていなかった。しかしどこかで出さないとならないかな?とは思っていた。 もう一つの理由として、産業としての自動車メーカーの立ち位置と、スポーツチームとしての活動をキチンと連動して伝えるメディアが無い事。それを問題提起する事で、昨今のモータースポーツの関係者やファンが叫ぶ「なぜ社会的な…
ー はじめのいっぽ 今回のホンダのF1カムバックについて「不可解」と言うキーワードが散見されるが、それは的を得ていない。 むしろやっと正常に戻った、或いは本来の姿になったと言って然るべきではないか?と思う。 この部分の理解を得るには、まず昨今廃止された青山本社にあったモータースポーツ部が出来た経緯を知る必要がある。 しかしそのモータースポーツ部、通称 「アオヤマ」 を知るには、さらにその前の部分へ遡り、第二期F1、すなわちセナ・プロが席巻したあの時代のルーツを知らなければ理解ができない。 だがそれを論じる前に、そもそもホンダのF1とはどこがやっていたのか?と言う観点をまず確認しなければならない。 第二期F1のルーツはどこにあるのか? 1978年に開発に着手し1980年に登場したホンダF2に、第二期F1に繋がるその活動のルーツを見る事ができる。 当時研究所の役員だった川本氏と旧知の仲だったラルト・カーズの代表 ロン・トーラナックとの関係からラルト・ホンダが誕生し、のちに当時の欧州F2を席巻したのは有名な話し。 そこから更に勢力を拡大し、マーチ・エンジニアリングにいたジョン・ウィッカムらをヘッドハンティングしスピリット・レーシングを設立。 その後、スピリットをF1へとコンバー…
今年で三回目となる中国F4にタイトルを懸けたマカオグランプリ。 今年はギリギリまでFIA F3での開催を模索していたが、その契約目前で市内感染爆発。結果、昨年までと同様の内容によるグランプリの開催となった。 Sands Chinaが大会スポンサーとなり、Sands China Formula 4 Macau Grand Prixと銘打ったFIA F4中国選手権。 17台のエントリーを集めて三回目となるマカオグランプリに臨んだ。 しかしFP1開始早々の5分経過したところで#10 GRID MOTORSPORTSのBei Silingがマンダリンベント出口で大クラッシュ。デフケースから後ろが千切れるほどの大きなインパクトでFP1はそのまま赤旗終了となった。 午後のFP2。 大方の予想はここまでグランプリ二連覇を飾っているシャルル・リャンに対し、今回チャンプモータースポーツからエントリーしたアンディ( Chang Wing Chung )が絡む事は誰もが予想したが、ここで全くその予想を覆す展開となった。 シャルルはマカオF4ニ連勝。ブルーノ・カルネロに続く中国F4チャンピオンで既に2019年にはFIA F3も経験し、格上の存在である事は間違いの無い事実。 そこへ同じマカオのアンディが絡む…
11月17日(木) 06:00 Circuit Closed 06:30 ~ 07:00 Circuit Inspection 07:30 ~ 08:15 Macau Motorcycle Grand Prix - 54th Edition - Free Practice 08:30 ~ 08:55 SJM Macau Roadsport Challenge - Free Practice 1 09:10 ~ 09:35 Melco Greater Bay Area GT Cup - Free Practice 1 09:55 ~ 10:20 Sands China Formula 4 Macau Grand Prix - Free Practice 1 10:35 ~ 11:00 MGM Macau Touring Car Cup - China Touring Car Championship - Free Practice 1 11:30 ~ 11:55 Wynn Macau Guia Race - TCR Asia Challenge - Free Practice 1 12:10 ~ 12:35 Galaxy Entertainment Macau GT Cup - Fr…
今年も例年通り11月の第三週、11月17日から20日までの四日間、マカオグランプリが開催される。 今年で69回目を数えるマカオグランプリ。 この二年間はコロナの影響から中国の国内レースを呼んでくるカタチで開催されていたが、春先にはコロナ対策の目処を立て、F1で成功したバブル方式での運営を取り入れて、FIA F3開催を視野に入れての実証実験まで行った。 しかしその矢先に市中感染の拡大に初めての死亡者まで出してしまうと言う事態に急変した為、一旦開催の内容に関しては白紙に戻し、結局昨年までと同様の中国のレースを中心としたプログラムに落ち着いた。 一方でこの二年間、開催が見送られていたバイクのレースが復活し、Macau Motorcycle Grand Prixとして三年ぶりの開催に漕ぎつけた。 このバイクのレースを含め、全部で7つのレースがプログラムされ、グランプリの栄誉はシリーズ最終戦に設定されている中国F4選手権に懸けられている。 開催レースは下記の通り: サンズ チャイナ F4 マカオグランプリ ギャラクシー エンターテイメント マカオGTカップ ウイン マカオ ギアレース – TCR Asia Challenge 第54回 マカオ モーターサイクルグランプリ MGM マカオツーリ…
北海道のイベントで大変に深い問題の事故が起きました。 多くのメディアで報じられたので、ご存じの方が多いかと思いますが、11歳の女の子がドライブするKARTがコントロールを失い、結果的に二歳の子が生命を落とすと言う痛ましい事故です。 まず亡くなられた子のご冥福を祈ると共に、大切なお子さんを亡くされた親御さんのこれから、そしてなんと言っても結果的に事故の加害者になってしまった11歳の女の子のケアを必要充分以上にしてあげて頂きたいと、切に願うものです。 亡くなった子の親にしても、結果加害者の子の親にしても「子に楽しませてあげたい」と言う純粋な気持ちで会場にいた事は間違いの無い事実だと思います。 なんと言ってもこのKART運営者の愚かさには呆れます。そこで知りもしないこの人物を叩いた所で無駄な労力を使うだけなので、総じて一般論を語りたいと思います。 スシローの寿司が世界の基準? 先に言っておきますが、あくまでもこれは例えです。 一番分かりやすいモノだからです。 数年前から気になる事を見かけるケースが増えて来ました。 それは例えば四輪で言うとスーパーFJしか経験が無いドライバーが講師をやったり、教えたり。 或いはKARTで言うと、レンタルカートがメインの子がイベントを主催し、講師をしているの…
この週末は珍しく、真夏の祭典 鈴鹿8時間耐久レースにセンサーを働かせていた。 今年もモータースポーツの仕事はやっていない。来年度、2023年シリーズの仕事はやっているが年内はそれだけ(他にもあるが放置中)。 そこで冷静にこのスポーツのビジネスの側面を考えて、真剣に見る努力をした。 もちろんこちらでは8耐の決勝は見られず、海外のネット放送も探したがダメ。しかし前日の4耐は見る事ができ、またメインの8耐も断片的に情報を集められたので、大体の感触は掴めた。 まずホンダの圧倒的な強さ。 これは自分がSUZUKIの仕事をやっている時から感じていた。 しかし昨日、あの時の話しを聞いてガッカリした。 あのHONDA VTR1000のストレートの速さ。 自分達は四気筒750cc。 レギュレーション上、どうしようも無いと思っていたら 「違いますよ、あれはドカティを引き入れる為のルール設定で、そこへまさかのホンダがタンデムツインを作って来ちゃったんです!」 じゃあ俺たち…超速かったんだ… 二十数年経ってこんな話しを聞いたら虚脱症状ですよ…。 大ショック。 ひょっとして…勝ててた???🥲 まぁ戦った相手がバレンティーノ・ロッシだしな…とか色々と思い起…
偉大なるレジェンドドライバー、エマーソン・フィッティパルディの息子のジュニア君(15)がようやく本格的なデビューを果たした。 本来はACI イタリアンF4がメインだが、数レース、ドイツのADAC F4にも出る、との事で、ちょっと様子を見ていた。 とにかく昨年まで出ていたデンマークのレースでは、そこそこのスピードを見せていたものの判断基準にならず。 パパであるレジェンド・エモに「マーケのお手伝いをしますよ」と、言ったものの、一体、ドライバーとしてのポテンシャルはいかがなものかと、少々訝って見ていた。 このADAC / ACI F4。PREMA Power Teamが圧倒的な強さを誇るが、ジュニアの所属はオランダのV.A.R。 このチームも素晴らしいエンジニアリングを誇るし、なんと言っても若手の育成に関しては素晴らしいリザルトを持っている。 2015年マカオGP V.A.Rから出場し表彰台を獲得したシャルル・ルクレール スクーデリア・フェラーリのエース、シャルル・ルクレールやレッドブルF1のマックス・フェルスタッペンもこのチームの出身ゆえに、F1を目指して確実に育って行くことが期待できるチームだ。 2014年マカオGP 既にF1が決まっていたがやり残した事があると出場を決めたマックス・…
とりあえず、問い合わせが来ている分や協力依頼だけはやっています。まだまだ国を跨ぐには安心できる環境には無いですがね。 さてこの2-3月にかけて予定されていた新しいシリーズ Formula Regional India(同時開催 FIA F4 インディアシリーズ)は今年の10月以降に延期されました。 全四都市、五ラウンド。 かつてはF1インドGPが開催されたブッダサーキット(ニューデリー)で2ラウンド。ハイデラバードの公道レースにコインバートル、チェンナイのマドラスモーターウェイをラウンドし、最後にまた公道レースのハイデラバードの四つの都市で全15レース。 参加台数は全15台に限定されているので3-4台分は確保しようと考えている。 ブッダサーキット(BIC)はかつてMRF ChallengeやMRF F1600の時に参戦しました。当然、FIAグレード1なので良いコースです。 当時、コースインを待つ間に撮った動画です。 インドのモータースポーツに参加した初めての日系チーム&日本人ドライバー。MRF F1600 ではドライバーズタイトルを獲得しました。 ハイデラバードは公道なので現段階では分かりませんが、歴史ある都市でどんなコースが作られるのか、非常に楽しみです。 そ…
クリスマス休暇に入る前、英国のマネジメントサイドから 『◯◯の息子だけど、日本のリージョナルにドライバーをひとり入れたいんだが…』 と言ってきた。 「止めとけ。15台出ていてもジェントマンが10人近い。コンペティティブと言うにはちょっと厳しい。◯◯は長い事F1のトップにいた人だろ?彼が一番分かっているんじゃ無いか?それにミカ・サロの子供なんか、日本で誤ったチームで走ってボロボロだよ。」 と答えた。 「それであれば中国のF4はどうだ?レベルは低いが最終戦はマカオだよ?FIA F3の連中に売り込むにはまたと無いステージでしょ?」 『いや、中国は無い。親が嫌がっているんだ。』 2021年の会話は最後〝中国はヤダ!〟で終わった😂 年末年始、このドライバーの事はたまに浮かべてはまた消えて、と言う感じだった。ただその中に一つのキーワードは浮かんだ。 〝そうは言ってもタイトル獲ったらそれはチャンピオンだよな?〟 と言うアイデアだ。 年が明け、別件もあった為、連絡。 「あのドライバーの件、どうなった?」 と聞いてみた。 『まだ何も決まってないよ。それにさ、どのシリーズもカネが無くて出ているのは半分、おじさんだよ!』 こっちの言いたい事を見透かした様な事を言ってきた。 「その件だけどね、俺もよ…
Social Plugin