69th Macau GP @Sands China Formula 4 Macau Grand Prix



「今回、初めての四輪なんですよ。このマカオGPの木曜日に乗ったのが3ウイークエンド目なんです。」
土曜日のレース1で優勝を飾った #3 謝選手の衝撃的なひとことだった。それも20-21年とニ連覇を飾ったシャルル・リャンと真っ向勝負をして勝った後だけに、このドライバーの秘めたるポテンシャルには心底震えるモノがある。

一方の #11 シャルル・リャン。
ブルーノ・カルネイロに続く二代目の中国F4チャンピオンであり、20-21年とマカオGPを連勝している。
しかし今回、セクター1のベストで #8 に1秒近い差を付けられては流石に疑心暗鬼にもなる。


土曜日は大きなミスを連発した #8 アンディはこのレースは絶対に落とさないだろう。流石にマカオGP初挑戦が2014年から。これで勝てなければおかしい。

また前日、そこそこの走りを見せた #82 ロイス・ユー選手もなんとこのマカオGP前に2セッションしかF4に乗っていないと言う。
逆に考えるとダイヤモンドの原石はここにいる訳で、1mmの可能性を求めて日本人ドライバーがここに辿り着いていない事がなんとも寂しい気持ちにさせる。




12 Lapで争われる2022年 第69回マカオグランプリは、この週末の起こった出来事を象徴するかの様に荒れに荒れた。

路面はCTCCで活躍したハフや、TCRで優勝したフィリップらの苦情のごとくダスティでオイル処理の状態も良くない。そこへ軽量で高いコーナリング速度を誇るフォーミュラーレースである。
スタート直後の1コーナーで荒れた路面に足を取られてクラッシュ。



早速SCが入った。

SC解除でシャルルが謝選手に襲い掛かるが、完璧に押さえ込みポジションをキープ。しかし再度、ここでSC。



レース再開後、シャルルの懸念の通りセクター1に於いて秒単位で違う最高速を誇るアンディのマシンがあっさりとトップを奪う。まるでターボチャージャーでも着いているかの様な、ストレート後半の速度の違いを見せ付けて首位を奪取。そのままチェッカーへと駆け抜けた。


2位にはセクター4最速の少年、前日のレース1ウイナーの謝選手。


そして3位にはこの週末、ずっとスッキリしない状態のシャルル・リャンが入った。残念ながらハットトリックはならず。


コロナに翻弄されて変則的な開催となったマカオGPも今回で三年目。
来年こそはFIA F3がこの地に戻ってくる事を期待しつつ、第69回 マカオグランプリは閉幕した。