北海道のイベントで大変に深い問題の事故が起きました。
多くのメディアで報じられたので、ご存じの方が多いかと思いますが、11歳の女の子がドライブするKARTがコントロールを失い、結果的に二歳の子が生命を落とすと言う痛ましい事故です。
まず亡くなられた子のご冥福を祈ると共に、大切なお子さんを亡くされた親御さんのこれから、そしてなんと言っても結果的に事故の加害者になってしまった11歳の女の子のケアを必要充分以上にしてあげて頂きたいと、切に願うものです。
亡くなった子の親にしても、結果加害者の子の親にしても「子に楽しませてあげたい」と言う純粋な気持ちで会場にいた事は間違いの無い事実だと思います。
なんと言ってもこのKART運営者の愚かさには呆れます。そこで知りもしないこの人物を叩いた所で無駄な労力を使うだけなので、総じて一般論を語りたいと思います。
スシローの寿司が世界の基準?
先に言っておきますが、あくまでもこれは例えです。
一番分かりやすいモノだからです。
数年前から気になる事を見かけるケースが増えて来ました。
それは例えば四輪で言うとスーパーFJしか経験が無いドライバーが講師をやったり、教えたり。
或いはKARTで言うと、レンタルカートがメインの子がイベントを主催し、講師をしているのをSNS上で何度も見かけるのです。
これは寿司に例えると、スシローの寿司しか食べた事が無い者が、実際に握ってくれるそこそこの店の中で寿司の蘊蓄を語っているのと同じ事です。
これらを発見した時の私の最初の気持ちは「あんたらが何を教えるの?」でした。
私の長い友人でモータースポーツに於いて豊富なマネジメント経験(F1ドライバーも生み出した)がある方が、昔よく言っていました。
「F3にも乗ってないものが「レーサーやってます」なんて言うな!」
言い得て妙だと思っておりましたし、強く同意しております。
本質的な意味は同じ事で、要は「浅い経験値で分かった様な事をやるな!」と言う事です。
私も昔は何も分からず、昨年でしたっけ?亡くなられた土屋エンジニアリングの創業者、土屋春雄氏に富士で怒られた事があります。
「ピットガレージの1コーナー寄りの面に立つな!」
この一言が分かる人はキチンと勉強された方でしょうし、分からない人は分かるまで考えるべきでしょう。分かるまではサーキットに行くのを謹慎された方が良いと思います。
ご自身の為。
家内がこの事故のニュースを見ながら「どんな人がやっているの?」と訝っておりました。そしてその実績が分かるにつれ「(EIKOの)松堂さんみたいな人がやらないとダメだよ!」とひと言だけ。
反論する人はいないと思います。
ピットの位置もおかしいし、観客を立たせている位置もあり得ない。
三角コーンでコースと待機スペースを区切るなんて言語道断です。
いまはテックプロと言う非常に優れているガードレール兼バリアがあり、KARTどころかF1やインディカーでさえ使っております。またこれほど設置が簡単で、安全性を高く担保できるアイテムは他に見当たりません。
もしこの青い線を引いた場所にピットと待機場所を作ったら結果は全然違ったでしょうし、他に設置場所が見当たりません。
いま後悔しても、いま反省しても時間は戻らない。
それだけは事実です。
合掌。