振り出しへ戻る & プランニングの醍醐味 - その6


 さて、前回はプランニングの部分に着手したところまでをお話ししました。


 まず中国人選手。このご時世、中国と関わるといつ何時、政治問題に座礁するか分りゃしない、非常にハイリスクな事案だ。
 とは言え巨大なマーケットで無視出来ず、と世界中の企業がジレンマを抱える事態になっているのが今。中にはUNIQLOみたいな勇猛精進な企業もあり、そのまま突進して、ほぼほぼ自爆している会社もあれば、MUJIみたく空気の読めないステートメントを出してそのまま死刑場に引き摺り出されている会社もある。

 そこで考えたのは〝プラットフォームだけ入手出来れば良い〟と言う考え方だった。日本は〝モノづくり〟からコトが始まっている国の為、どうしても〝成果物〟を見ないと納得しないところがある。今回のケースで言うと〝中国人〟或いは〝中華圏〟の【選手】がそれに当たる。しかしその成果物が〝火種〟であるならば、敢えてそこに手を伸ばそうとは思わない。 
 UNIQLOじゃ無いんで、私らだってもう少し智慧はありますがな。そこでまず、以前からお伝えしているマカオesports協会とコンタクトした。
 この会長はリスボアホテルのCEO、アンジェラの息子さんであるマリオ君だ。セオドールレーシングの活動を通して勝手知ったる仲だ。



 このマリオの会社は深圳で既に上場しており、深圳・重慶にスタジアムを持っている。そして上海にも拠点を持つ。その地域を結ぶ協会を組織し、それをマカオesports協会の傘下に収めている。そしてマリオはトップレベルのリレーションでテンセントと深い繋がりを持ち、テンセントの持つ中国で75%を占めるゲームのインフラを同時に手に入れている。

 つまりこちらは〝成果物〟を断続的に供給するプラットフォームと連携し、〝成果物〟そのものを追いかけ無いと言う事にした。ウチはあくまでもマカオesports協会としか付き合っていない。選手は協会から推薦してチームがチョイスする、と言う事にした。またこれだけのスキームがある。チームがやっているCup of Nation'sのシリーズ戦に彼らのプラットフォームとファシリティを組み込む事も提案した。

 上海から重慶、深圳・マカオ・香港と多くの参加者を集めて大いに盛り上がる事が予測できる。ITの世界に例えるのなら、Microsoftやそこに対応したアプリを開発するのではなく、Googleを使う窓口を作ったと言えば分かりやすいか?

 元を正せば、ウチが長年付き合ってきたスポンサーからの発案でesportsへスポンサーする、と言う話しである。それに対して某F1チームとFormula eが手を挙げた。その中で中国マーケットをどうするの?で、両社ともかなり安易に〝中国人選手〟と言い出した。「で、そこはある程度進んでいるのか?」と聞くと『これから始める』と言われ、ガクッと来た。
 それであれば私に考えがあるから預けてくれ、となり今回の流れになった。ミーティング終了後に両社に「ココと連携出来るよ。どうする?」と投げ込むとスグに喰い付いてきた。ソリャそうだろ。バーチャルだけでなく、実際のレースにも繋がる人脈とプラットフォームだ。
 完成を100とするならば、50迄は来たかな?と感じる。来週はformula eから第二段階のプレゼンを送るよ、と連絡が来た。このプラットフォームが出来れば、非常にデカい。

 今、個人的に刑事告訴されている案件(Twitterで『ばーか』と言った件)のゲーム会社。相変わらず怪しい事ばかりして、とある協会から監督官庁に告発されたらしいが、アホな事をしなくても、時期が来て、それが必要であるならちゃんと仕事になるんですよ。彼らに残っているのは賠償だけじゃない?仕事ってそう言うモンじゃないよね?と言うのが、今の実感です。